焼印原型と印影の関係


メタルアートでは、ロストワックス鋳造で焼印を製作していますので、鋳造前に型になる原型を作ります。ロストワックス鋳造ですので、原型は蝋(ワックス)での製作となります。もちろん、普通の印鑑と同じで原型は押すことを考えて、印影とは反転させての作ります。原型になりますワックスは、切削機械で削るために、ロウソクに使われているような柔らかい蝋材ですと、刃物にまとわりついて削れないために硬いモデリングワックスや型とり用のワックス等を混ぜ合わせて独自のものを作ることもあります。

焼印原型と印影

上の写真は、蝋型原型とその蝋型から作られた焼印を試し押しした画像の対比です。
2種類の蝋型の写真がありますが、右の蝋型の写真の方が左の蝋型の写真より青色が濃いのは、蝋型を作るときに混ぜ合わせた蝋の種類と分量の違いによるものです。普通は、単体の蝋材(モデリングワックス)を使いますが、デザインや蝋型を彫る深さ等により何種類かのワックスを混ぜて使うこともあります。一般に、固くて彫りやすいワックスは、脆くて欠けやすく、柔らかいワックスは彫りにくく、欠けにくい特徴があります。
ワックスの価格も固くて彫りやすいワックスの値段は高めで、柔らかいワックスの方が安くなります。

別の2つの写真になります。左の画像は機械で彫り終わった後の蝋型で所々に白い削り屑がついているのがわかると思いますが、この削り屑を綺麗にとるのが大変で、手作業で、先端の尖った柄付針や専用の工具を使ってとります。手作業の手間を減らすために特種な液状のシリコンゴムをかけてから、真空脱泡機の中で、屑とゴムが混ざるように空気を抜いていってから、ゴムを硬化させて、固まったゴムと一緒に詰まった屑をとる方法もありますが、シリコンゴムの価格が高いことと、ゴムが固まるまで待つために作業時間も長くなるために普段は、手作業の方をとってしまいます。右から2番目の写真は蝋型をゴム台につけてから撮ったものです。屑を取り払って綺麗な状態にしてから、ゴム型に取り付けます。蝋型もデザインが複雑になりますと、埋没材を入れた時に気泡が残ったり、細かな部分に入らなかったりする可能性がありますので、ワックスパターンコートという界面活性剤を含んだ薬液をスプレーする場合もあります。
右の画像は、紙に試し押しした画像ですが、原型を鋳造した後に印面部分にガス抜き穴を開けますので、その分、押した時の印影がハッキリしてきます。


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