修復工事の為の焼印


文化財や歴史的建物に指定されている建築物の修理、改修工事を行う場合、工事した日付を残すために柱や梁などに焼印を押すことがあります。ペンキや塗料で日付を入れると長いあいだに紫外線や温度、湿度などの変化の影響で薄れて確認できなくなる場合があり、又、塗料などの影響で変色する場合も考えられますので焼印を使い焼色と凹みをつけることにより経年劣化しにくく、長いあいだ確認できる印を残すことができます。
修復工事用の焼印の場合、日付のみを入れることが多いのですが場合によっては施工者の名前を一緒に入れたりします。

左上の写真は、修復工事の日付を残すために押す焼印の印面部分の写真です。大きめの文字でハッキリわかるように深めの彫りで仕上げています。印面右上部の穴は、焼印が触れることで出る高温のガスを脱がして印影の変色を防ぐためのガス抜き穴です。
右の写真は、出来ました焼印を試し押しのために厚紙に押したものです。大きな焼印ですが、作業性を考えて300Wの電気ごて仕様で製作致しました。
私の住んでおります小樽にも、歴史的建造物に指定されている建物が沢山あります。観光資源として有名なところは、旧日本銀行小樽支店の建物や小樽が北のウォール街とよばれていた頃に地元の財閥が作った板谷亭や魁陽亭、小樽倉庫等…歴史的建造物には、今でも人が住んでいる建物も多くありますが、人が住んでいない建物もあり、人が住んでいない建物は、北海道の長い冬を超えるたびに傷みが増し、維持も結構かかるので取り壊される建物も多く、私の思い出のある建物もいくつかは今は、なくなっています。知り合いに歴史的建造物を所有している人がいて色々と聞かされいますが、歴史的建造物に指定されている為に、修理にもお金がかかり、(現状を変えるような修理は出来ないので、昔ながらの工法での修理になるため)、売却も思うように出来ない為に維持していくのが大変だということです。小樽に住んでいる住人といたしましては、いつまでも残して欲しいと思いますが、年々姿を消していくのが現状です。
そんな中で、観光資源として活用できている建物もあります。
ニシン漁が盛んな時期に網元が建てた建物を改装して料亭にしてその当時の贅沢な作りの屏風や欄間、美術品を見学できる資料館として活用している所や当時の内装をそのまま使ったレストラン、銀行だった建物をホテルに改装したり、明治、大正期の建物の雰囲気を利用した美術館等使い方によっては観光資源として活用できる建物も沢山残っています。
昔情緒のある建物を活用して、観光都市として、今以上に発展していければ良いと考えています。

 


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