円形の焼印について


一般的に丸い焼印を多く見ますが、それには色々な意味があります。昔の焼印は屋号や家紋を使ったものが多いせいか丸い焼印が多くありました。又、丸い形には魔除けの意味もあって丸い形の焼印を作っていたそうです。丸い焼印には、そのような昔からの理由とは違った面もあります。円形の焼印は実際に押した時に、力が均一にかかり同じ印影で押しやすいという利点があります。
同じような理由から正方形の焼印もよく見ます。同じ丸や四角でも楕円になったり、長方形になると均一に力を加えるのが難しくなり、綺麗に押すにはコツが必要になってきます。

上の写真は大型の円形焼印の試し押し画像です。左側の写真は円周上に文字を配置した100ミリの大きな円形焼印で、真ん中部分には、別のデザインや部材を配置する為に大きなスペースがあります。真ん中の写真は80ミリの焼印で直火式仕様で製作しました直火式仕様の焼印、バーナーで全体的に均一にあたためる事ができますが、電気ごて仕様の場合には、電気ごて本体に接続する丸棒が円形の中心部にきますので、真ん中の方が端よりも温度が高くなりやすく、真ん中部分の印影が濃くなる傾向があります。
右側の写真は90ミリの大型円形焼印の陰影で、電気ごて式でしたので若干、中心部分が濃い目の焼跡になっています。

大型円形焼印での工夫

大型の円形焼印の場合、実際に焼印を押した場合に周囲の枠部分で、焼けた時に出る暑いガスが防がれて、円周の内部が変色しやすくなります。時に印面が大きいほど、温めるのに、大きな火力が必要になり、その部分印面の温度が上がりやすいので特に注意が必要です。そこで、暑いガスを逃がすためのガス抜き穴が重要になってきます。上の左の写真では、右上に円周の途切れた部分がありますので、この部分から、暑いガスが逃げますが、左下の部分には、暑いガスの逃げ道がないために、印面の余白部分に穴を開けてガス抜きをします。
真ん中の写真の場合には、周囲の余白が十分にありますので、左右に2箇所、大きめのガス抜き穴を開ければ大丈夫です。
右側の写真のデザインの場合には、中心部分のロゴのデザインの周りに左右、下の3箇所の余白部分にガス抜き穴を開けますが、
中心部分の学の部分もガスの逃げ場がないので、細いドリルを使い開ける位置を工夫してガス抜き穴を開けます。
ガス抜き穴を開けるのが、難しい場合には、垂直に開けた穴に交差するように、横から穴を開けたり、太さの違うドリルを組み合わせて焼印のデザインに影響しない部分にガス抜き穴を開けます

 

 

 


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