焼印の彫りの深さ


焼印の彫りの深さと印影

焼印は印面の彫りが深くなるほど鮮明な印影が出やすくなります。もちろん、反面良くない影響も出ることがありますので、一概に彫りが深いほど良いとは言えない場合も出てきます。又、印面の台座部分につきましても極力台座部分を減らした方が綺麗に押しやすくなりますが、その分、四角い板等の焼印を押す場合には、位置決めがしにくくなることもあります。

上の写真の左端はメガネの焼印で彫りを深くして台座部分を極力削り作りました。印面のデザインによっては台座部分を残さずに削り(オフセットゼロと言います。)押しやすくすることもできますが、デザインが複雑になるとそれも難しくなりますので、できるだけ深く彫ったり、ガス抜き穴を使うことになります。
中央の写真は6ミリの深彫りの焼印を横から見た画像です。6ミリ彫りますと見た目でもわかるとおりかなり深く感じます。お菓子屋さんの焼印は深めの彫りが多く(写真の焼印は㈱虎屋本舗様のもので虎屋さんの焼印は6ミリ深彫り指定です。)職人さんによっては4ミリ、5ミリと深さを指定してくる場合も多々あります。
印面を深く彫る事による短所としては、細い部分の強度が落ちる事、又、空気の触れる面積が多くなることにより焼印自体の温度が下がりやすくなります。当然、印面を深く彫るために製作時間が長くなり、鋳造の難易度も増す為に、製作金額も多少高めになってします。
右側の写真は深彫り焼印を紙に試し押ししたものですが、彫りが深い分、周りに熱による変色がでず、綺麗な印影になります。

次の写真は、タイのデザインの6ミリ深彫り焼印です。
彫りが深いので写真の撮る角度を変えて写しました。タイのお腹部分の穴は、焼印が押すものに触れた時に発生する高温のガスを抜く為のガス抜き穴で必要に応じて複数個開ける場合もあります
右の写真は試し押しに紙に押したものです。デザイン的には押しにくいデザインですが、深彫りの印面にしているので、綺麗に押せています。
写真を見てもらうと解ることですが、深彫り焼印でも、尾ヒレや腹ヒレ部分は、あまり深く彫れていません。これは、印面の原型を彫る時に使う刃物が先端角10度の勾配で先端長0.15ミリ、軸径が6ミリの刃物を使用して彫っていますので、3D切削機が歯が他の部分に触れないように深さを計算して彫っているためで、6ミリの深彫りで製作をしても、深く彫れない部分が出てきます。


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