子供達に物創りの一環として鋳造体験をさせたいとの依頼から鋳造体験キットを製作することになりました。
小学校高学年とのことでしたので、実際に自分の手で地金を溶かして、型に流して物を作る楽しさを伝えつつ、安全に体験出来るように、溶かす金属は、錫に亜鉛を少量加えた錫合金にして、溶かすのもアルコールランプで溶かせるようにし、型もあらかじめ耐熱性のシリコンゴムで作って置いてその中に溶かした金属を流して、型ばらしをして、取り出して、研磨、仕上げという手順で完成できるようにしました。
鋳造実験体験キットの内容
上の写真は、鋳造実験キットの画像です。左側の写真は、右から地金溶解用のお玉(この中に地金を入れて直接溶かします。)その隣は1回用の地金を小分けにしたもので、これをお玉に入れて溶かします。その隣の緑の四角いものは、シリコンゴムの鋳型で、sの下にあるのがアルコールランプです。
実際に鋳造する手順をご紹介いたします。真ん中の写真はシリコンゴムの鋳型を2つに分割したものです。ゴム型は2つに分かれた物を重ねて使います。まず、シリコンゴムの鋳型に石膏の粉をかけます。(この粉は、ゴム型の表面に極小の空気の層を作り鋳造性を向上させるために使います。)
次に一番右の写真は、石膏の粉をかけてから、型を2つに重ねて少し降ってから、型を広げ余分な粉を吹いて払った状態です。
上は、その後の工程の写真です。先ほど、石膏をかけたゴム型の両はしを輪ゴムで止めたのが、左の写真です。写真の上側に溶けた金属を流し込む穴があります。
シリコンゴムの型に輪ゴムをかけましたら、台の上に穴の空いた方を上に向けて置いて、小分けの地金をお玉に入れてからアルコールランプに火を付けてその火で溶かします。2~3分程度加熱すると溶けますので、完全に溶けましたらシリコンゴム型の上の穴に注ぎます。地金は、ちょうど1回分に測っていますので、全量入れてください。
ゴム型に溶けた地金を入れますと1分位で固まりますので、固まったら、水の中に入れて冷やしてください。 冷やしましたら、布巾でふいてから、輪ゴムをとってください。
中央の写真は輪ゴムをとった後のゴム型と中の鋳造物の写真です。水で冷やした後は、続けて鋳造するために十分に水けを除いてください。
右の写真は、鋳造後の飛行機の模型です。ここから、余分な部分をニッパで切り取って、紙やすりをかけて綺麗に磨き、仕上げに
使い古しの歯ブラシに歯磨き粉を付けて磨いてから、石鹸を付けて洗うと綺麗に仕上がります。
切り取った余分な地金は、溶かして使えますので、そのまま保存してください。